嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 チャーリー様は、握った手を更に強く握りしめようとすると、またバチバチっと火花が散る。

「痛いっ」

 私は叫んで、思わず手を離してしまう。ディリスお兄様の時と同じだ。まるで、好意を持って近づいてくる男性を跳ね除ける魔法にかかっているようだ。

「あっ、これ、もしかして」

 また、熱をもっているピアスを触る。あの時も、このピアスが暖かくなっていた。

「魔法石のピアスですか、殿下もやりますね」

 一瞬、睨むようにピアスを見つめるチャーリー様。怖い、と思ったけれど、私の方を向いた時は、いつものように穏やかな顔になっていた。

「リアリム嬢、きっと、このピアスの魔法でしょうね。貴方に近寄る男性を許さない、そんな執念を感じる魔法ですよ、それは。まぁ殿下らしいといえば、そうなのでしょうが」

 最後の方はよく聞き取れなかったが、とにかくウィルストン殿下のくれたピアスは、また私を守ってくれたようだ。

「すみません、時間になりますので、行きますね。その、ご提案はありがとうございます。でも、今は屋敷にいますので大丈夫です」

 チャーリー様に断りを告げると、彼も「そうですか」と一瞬悲しそうな顔をしたが、その後は普段と同じように、応えてくれた。

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