嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 ウィルストン殿下のみならず、チャーリー様にまで心配をかけてしまった。私がイザベラ様を煽らなければ、さすがに頬を叩くようなことはされなかったはずだ。

「リアリム嬢、不安なことはないか?その、もし、どこか一時、身を隠したいようであれば、私が手配するが」

「えっ、チャーリー様?身を隠すなど、」

「いや、今、君の立場はとても不安定だから、もし、ウィルストン殿下との婚約を進めたくないのであれば、距離を持つことが解決策になるかと思いますが。いかがでしょうか」

 チャーリー様は、濃紺の瞳を少し揺らしながら、私の瞳を覗き込む。身を隠す提案をされたけれど、魅力を感じる一方で、それをチャーリー様にお願いしてもいいものかどうか、判断がつかない。

「正直申しますと、今は距離をとりたいのですが、決心がつきません。殿下を好いている思いがあるのも、本当です。後は、私の覚悟なのかと。それが、とても難しいのですが」

 思わず下を向いてしまうが、そんな私の顔を覗き込むようにして、チャーリー様は私の手をとった

「リアリム嬢、無理をしないで、私を頼ってくださってもいいのです。その、将来のことが心配なら、私が責任を持ちますので、どうか」

「えっ、責任って、チャーリー様」

 言葉の意味を考えると、まるで求婚されているようだ。

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