嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
 私は、王宮を飛び出した後のことを彼に説明した。特に、男と共にいた少年のおかげで私は街道にでることが出来たから、そのことを特に強調しておいた。

 私を拾ってくれたゴウ侯爵夫妻のことも、こうしてお医者様の手当てを受けて、快適に過ごしていたことも。

 ウィルは静かに一つ一つ、私の言葉を漏らさないように聞いてくれる。

 そして最後に、私は一つ我儘を彼に言った。





 花の咲き誇るこの花の都には、お祭りの日が近づいていた。この都には、あるハレンチな言い伝えが残っている。

 昔、騎士様がお仕えする、美しいお嬢様に愛を伝えるため、お祭りの日にいやらしいパンツを贈った。花や宝石といったありふれたプレゼントの中から、一風変わったパンツのプレゼントを喜ばれたお嬢様は、騎士様と恋人になったという。

 それ以来、お祭りの日にパンツを贈り、それを受け取ると恋人になる、という風習が生まれた。

 女性であれば、ボクサーパンツを。男性であれば、女性用パンツを贈る。買いに行くのも恥ずかしいが、それを乗り越えることこそが、愛の証明として盛り上がる。

もちろん、恋人同士であればいやらしいパンツも贈りあうし、縁起がいいからプロポーズの日としても有名だ。

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