嘘つくつもりはなかったんです! お願いだから忘れて欲しいのにもう遅い。王子様は異世界転生娘を溺愛しているみたいだけどちょっと勘弁して欲しい。
いつもの明るいテノールの声が、バスを響かせている。腕を組んで私を見下すように話す殿下は、明らかに怒気を含んでいた。
「は、はい。ユゥベール第二王子のアトリエにいました」
誤魔化しても仕方がないので、そのままを正直に話す。答えながらも腕が震えてしまう。
「何故?」
怒りのおさまらない、といった様子の殿下は、なおも食い下がるように私に質問を続ける。
「はい、ユゥベール殿下に絵のモデルを依頼されました。この、私のピンク髪が珍しかったからかもしれません」
そう言って、髪を一房持ち上げて示す。殿下は眉を片方だけぴくっと持ち上げた。
「そうか、アトリエで、二人きりか?」
「えっと、隣の部屋には女官の方が控えておりました。それに、部屋はガラス戸が1面あり、パティオに面しています。中庭からは、どなたでも見ることができます」
ふむ、といった風に考え始められた殿下は、それでも私を逃さないとばかりに立っている。
「君は、私の婚約者候補の自覚があるのかな? 私以外の男性と部屋で二人になるなど」
「ユウ君はそんな! 何もありませんっ」
思わずユゥベール殿下のことをユウ君と言ってしまう。私にしてみれば、彼は弟のユウ君であって第二王子でも何でもない。
「は、はい。ユゥベール第二王子のアトリエにいました」
誤魔化しても仕方がないので、そのままを正直に話す。答えながらも腕が震えてしまう。
「何故?」
怒りのおさまらない、といった様子の殿下は、なおも食い下がるように私に質問を続ける。
「はい、ユゥベール殿下に絵のモデルを依頼されました。この、私のピンク髪が珍しかったからかもしれません」
そう言って、髪を一房持ち上げて示す。殿下は眉を片方だけぴくっと持ち上げた。
「そうか、アトリエで、二人きりか?」
「えっと、隣の部屋には女官の方が控えておりました。それに、部屋はガラス戸が1面あり、パティオに面しています。中庭からは、どなたでも見ることができます」
ふむ、といった風に考え始められた殿下は、それでも私を逃さないとばかりに立っている。
「君は、私の婚約者候補の自覚があるのかな? 私以外の男性と部屋で二人になるなど」
「ユウ君はそんな! 何もありませんっ」
思わずユゥベール殿下のことをユウ君と言ってしまう。私にしてみれば、彼は弟のユウ君であって第二王子でも何でもない。