毎週水曜日は青空甘恋クレープ日和
「へっ?」

 思わずポカンとしたら、「クリーム付いてるよ」って笑われて、親指の腹で鼻の頭を拭われてしまう。

「ひゃっ」

 それをごく当たり前のようにペロリと舐める彰久さんを見て、私の心臓は壊れかけのポンコツみたいに不規則な鼓動を刻む。

 いきなりのことにドキドキしながら身体をすくませたら「いい反応。すっごく可愛い」ってニッて笑うの、私を殺しに来てるとしか思えません!

「こっ、こう言うの慣れてないので……」

 ゴニョゴニョと言ったら「初々しくていいと思う」とニヤリとされた。

「うっ」

 その笑顔のまぶしさに思わず言葉に詰まって。

 クレープに隠れるようにして恨めしげに彰久さんを睨んだら「そんなことしてたらまたクリームつくよ?」って楽しそうに微笑まれてしまう。

 ヤバイ……。

 私、笑顔の可愛い人が、甘いものと同じぐらい大好きなの。

 こんなに間近で笑顔の大盤振る舞いされたら好きになっちゃう!

 しかも相手はこんな美味しいクレープを作れる人よ?
 加算ポイント、半端ないって!
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