毎週水曜日は青空甘恋クレープ日和
2.毎週水曜日のお楽しみ
それからと言うもの、私は毎週水曜日に彰久さんに会いに行くためだけに仕事の鬼になっていた。
初めて彰久さんにお会いしたのは、校庭の桜の木が柔い新緑の若葉を纏っていた頃。
それが、今ではすっかり濃い緑の硬い葉っぱになってしまっている。
もう少ししたら赤くなったり黄色くなったり茶色くなったりして、枝からハラハラと離れていってしまうだろう。
***
「最近の大野先生、何だか鬼気迫るものがありますね」
たまたま事務室に水糊の詰め替えをしにいらした土井教頭にそんな風に言われて、私は思わず「えっ」と声を上げた。
「前から仕事の出来る人だなぁとは思っていましたけど、ここ最近はさらに拍車がかかったと言いますか」
言われた私は「はぁ」と、何とも気のない微妙な返しをしてしまう
補充用の大きなボトルから自分の手持ちの容器に水糊を入れ終えた土井教頭が、内キャップを嵌めようとしてふと手を止めた。
「――キャップの替えも一つもらいますね」
言われて、私は先が薄くなって穴の開きかけた、使い古しのキャップを「捨てときますよ」と受け取った。
受け取る時に手に糊が付いたのでティッシュで拭っていたら、
「何か理由があったりします?」
初めて彰久さんにお会いしたのは、校庭の桜の木が柔い新緑の若葉を纏っていた頃。
それが、今ではすっかり濃い緑の硬い葉っぱになってしまっている。
もう少ししたら赤くなったり黄色くなったり茶色くなったりして、枝からハラハラと離れていってしまうだろう。
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「最近の大野先生、何だか鬼気迫るものがありますね」
たまたま事務室に水糊の詰め替えをしにいらした土井教頭にそんな風に言われて、私は思わず「えっ」と声を上げた。
「前から仕事の出来る人だなぁとは思っていましたけど、ここ最近はさらに拍車がかかったと言いますか」
言われた私は「はぁ」と、何とも気のない微妙な返しをしてしまう
補充用の大きなボトルから自分の手持ちの容器に水糊を入れ終えた土井教頭が、内キャップを嵌めようとしてふと手を止めた。
「――キャップの替えも一つもらいますね」
言われて、私は先が薄くなって穴の開きかけた、使い古しのキャップを「捨てときますよ」と受け取った。
受け取る時に手に糊が付いたのでティッシュで拭っていたら、
「何か理由があったりします?」