毎週水曜日は青空甘恋クレープ日和
「ここ、そんなにセキュリティも高くないだろ? もし実迦ちゃんが本気で出る気があるんなら俺、新居探しも引っ越し作業も手伝う。――それに……えっと……他の面でもかなり助けてあげられると思うよ?」

 彰久さんは元彼と違って、しっかりお仕事もしているからかな?

 彰久さんが人生で二人目の恋人な私は、男性からそんな風に言われたことがなかったから彼の提案にビックリしてしまった。

 それに……言い難そうに付け加えられた〝他の面〟ってきっと、金銭的なことだよね? 

(クレープ屋さんってそんなに儲かるの?)

 なんて考えたのが顔に出ちゃったのかな。

「あー、言ってなかったけど俺、クレープ屋は趣味なんだ。本業は別にあるから」

 ってどういう意味ですか?

 キョトンとする私に、「とりあえず、食いながら話さない?」ってテーブルの上に置いた〝半熟卵のせ照り焼きハンバーグ〟を指さされた。

 好き嫌いはないって言われたから、付け合わせに彩り重視で赤と黄色のパプリカと、緑が鮮やかなピーマンのソテーを添えたワンプレート料理。

「ツヤッツヤでめちゃ旨そう!」
 と目を輝かせる彰久さんに座布団を勧めてから、元彼が使っていた大きめの茶碗にご飯を山盛りよそって差し出す。

 私のはワンプレートでご飯もお皿の上なんだけど、彼のは載せられそうになくてツープレート。
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