好きだけど、好きなのに、好きだから
部活の後、部室からは麻衣ちゃんの怒り声。

その大きな声が、廊下まで響いていた。

「あんたって子は!」

「……」

「優里亜先輩にちゃんと謝るのよ」

「うっす」

しっかり者の麻衣ちゃんが、私の代わりに佐伯君を叱っているようだ。

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