八城兄弟は僕(=わたし)を愛でたい!
椿くんは男の子がスキ⁉︎
🍓 チチチチと鳥の鳴き声が聞こえて、寝返りを打つ。
 うーん、もう少し寝ていたいけど。そろそろ起きないと、学校に遅れちゃう。

 ゆっくりまぶたを上げて、覚め切らない視界にぼんやりと映り込む。長いまつ毛とキレイな形の唇。

 目と鼻の先の距離で、椿くんが寝息を立てている。

 声にならない悲鳴を上げて、そのままベッドの下へとずり落ちた。

 イケメンのドアップは、朝から心臓に悪い。
 それから、床に打ち付けられた背中が痛い。

「大丈夫か」

 音で起きたのか、あきれた顔の椿くんが引き上げてくれる。

「……あ、ありがとう」

 そもそも、どうしてこうなった?
 昨日、わたしはソファーで寝たはず。どうりで寝心地が良いと思ったけど、まさか夜中に起きてベッドへ移動したの?

 自分の無意識行動が恐ろしすぎて、身震いする。

「で、なにしてんの?」

「ごめん! これは、不可抗力(ふかこうりょく)というか。たぶん寝ぼけて」

「それ」

「それ?」

 指が差すところへ視線を追うと、ぺたんこだったわたしの胸元が小ぶりの山を作っていた。
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