カモミール
「そうだよ。10年間ずっとそうだったよ。俺だってこう見えてすげー悩んだよ?でも美晴ちゃんのことは失いたくないって思っちゃったんだからしょうがないじゃないか」
なぜかちょっと怒り口調かつ拗ねたふうな言い方だ。
「私のこと、好きなんですか?」
「ああ、好きだね」
ぞんざいに言い放つが、きっと照れているのだと思う。
「じゃあ、私がサングラス外してもいいですか?」
「いいよ」
私は彼の隣の椅子に座って彼と身体を向かい合わせた。
「だけど俺、バツイチだし、子どももいたことあるし、年も食ってるぞ?本当にいいのか?」
「バツイチで、私よりうんと年上で、亡くされた娘さんを今でも愛し続ける真崎さんがいいんです」
「物好きなやつめ」
彼はふっと笑った。
「外しますね」
「ん」
両手でそっと彼のサングラスに手をかける。外したサングラスの下に現れたのは、きれいな一重瞼の少し目尻の下がった愛らしい目だった。左瞼にはうっすらと縦に傷跡があり、右より左の黒目の方が色素が薄い。よく見ると瞳孔が開いていた。
「怪我のせいで左目の視力はないんだ」
「そうなんですね」
また初めて知る彼のこと。私は指先で瞼の傷をなぞった。愛しさがこみ上げてくる。
「俺の左目、変だろ」
「全然、変じゃないですよ。真崎さんの素顔が見れて嬉しいです」
「やべえ、人前でサングラス取るなんてないからパンツ脱ぐ並みに恥ずかしい」
恥ずかしさに耐えられなくなったのか、両手で顔を覆い隠してしまった。そんな姿がかわいい。
「隠さないで。顔よく見せてください」
「うわぁ、はい…」
なぜかちょっと怒り口調かつ拗ねたふうな言い方だ。
「私のこと、好きなんですか?」
「ああ、好きだね」
ぞんざいに言い放つが、きっと照れているのだと思う。
「じゃあ、私がサングラス外してもいいですか?」
「いいよ」
私は彼の隣の椅子に座って彼と身体を向かい合わせた。
「だけど俺、バツイチだし、子どももいたことあるし、年も食ってるぞ?本当にいいのか?」
「バツイチで、私よりうんと年上で、亡くされた娘さんを今でも愛し続ける真崎さんがいいんです」
「物好きなやつめ」
彼はふっと笑った。
「外しますね」
「ん」
両手でそっと彼のサングラスに手をかける。外したサングラスの下に現れたのは、きれいな一重瞼の少し目尻の下がった愛らしい目だった。左瞼にはうっすらと縦に傷跡があり、右より左の黒目の方が色素が薄い。よく見ると瞳孔が開いていた。
「怪我のせいで左目の視力はないんだ」
「そうなんですね」
また初めて知る彼のこと。私は指先で瞼の傷をなぞった。愛しさがこみ上げてくる。
「俺の左目、変だろ」
「全然、変じゃないですよ。真崎さんの素顔が見れて嬉しいです」
「やべえ、人前でサングラス取るなんてないからパンツ脱ぐ並みに恥ずかしい」
恥ずかしさに耐えられなくなったのか、両手で顔を覆い隠してしまった。そんな姿がかわいい。
「隠さないで。顔よく見せてください」
「うわぁ、はい…」