ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

ダメだよね

翌日、いつものように仕事へと向かうエスターは、幼くなったシャーロットを見た。

いつものように出かける時のキスは出来ない。

出来るわけがない……シャーロットは子供になっているから、それに僕のことは覚えていないのだから……

小さなシャーロットを見つめ「ダメだよね……」とポツリと呟くと、ドロシーに「ダメに決まっているでしょう」と小声で叱られた。
頬にするぐらいならいい気もするが……
などと考えている僕を、幼いシャーロットはあどけない顔で見上げている。

ダメか……

「行ってきます……」

力なく言うエスター

「行ってらっしゃいませ、エスター様!」
 朝早くから、まるでパーティーに行くかのように、完璧に支度を整えたシャーロット令嬢の大きな声が玄関に響く。

「ああ」
その言葉を聞きたいのは君の声じゃないんだよ……



エスターは作り笑いをして出て行った。
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