ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

どうして僕が……

カーテンからは昼の光りが差し込み、部屋の中を明るく照らす。

コンコン……扉を叩く音がする。


「んんっ……エスター……」
「何……シャル……シャル」

耳元で囁くエスターの声は甘く、シャーロットの体を疼かせる。


コンコンコンコン…………扉は叩かれている。

「もう……エスターやめて」
「シャル」
「シャルって呼ばないでっ……恥ずかしいから」
「僕は気に入ってる」
シャーロットの髪を指で梳きながら、エスターは額に口づけを落とした。


コンコンコンコンコンコン


「もうっ! 何だよジェラルド‼︎ 」

エスターは髪を掻き上げながら扉に向けて、不機嫌な声をあげた。

「私だ、レオンだよ。休んでばかりいるエスター副隊長」

「……何ですか、レオン隊長」

ごめん寝ていて、とシャーロットに告げて、エスターはサッと服を着ると部屋を出て行く。

(……恥ずかしいっ!……レオン様が来ていたなんて……絶対聞こえてた……あの方獅子獣人だもの!)




**



 獅子獣人レオン・ドルモア伯爵は、エスターの所属する第二騎士団の隊長だ。

 昨日、媚薬入りとは知らずに、バート侯爵から頂いたクッキーを食べたシャーロットの体の為(?)、エスターは休みをとり、昼になる今までベッドにいた。

……そこにレオンが来たのだ。



「魔獣術師ジーク様がお前をお呼びだ」
「何事ですか?」
「オスカーとエスターとで海岸に来い、と言っている。……何故か分からんが、エリーゼ王女様もそこに居られる。とにかく行ってくれ」
「……それ、オスカーだけで良いのでは?」
「いや、お前も寄越せと言われた。それから必ず剣は持ってくる様にと」

「はい」

 エスターは隊服に着替え、シャーロットに仕事に行くことになったと告げた。

「はい、気をつけて行って来てください。待ってますから」
 いつのまにか着替えを済ませ、髪も整えているシャーロットに軽くキスをして、エスターはジークの元へと向かった。
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