ちょっと不運な私を助けてくれた騎士様が溺愛してきます

ちゃんと言うから待ってて

「結婚しよう……か」

 客間の長椅子に腰掛けて、カミラさんに用意して貰ったハーブティーを飲みながら、私は昼間ソフィアに言われた事を思い出していた。

ソフィアが帰ってから……ううん、正確にはプロポーズの話がでてからエスターがぎこちなくなった。


……私が覚えていない振りをしたのがバレたのかな……


昼間、ソフィアの前では言えなかったけど、『結婚しよう』と言われたことはあった。


……そう、北の塔で……
二人きりのあの場所で……
甘く掠れた声のエスターに耳元で囁かれた。

『結婚……しよう……』
『んっ……』


思い出すだけで体が痺れる感じがする

でも言えない……人には言えないよっ
それに……返事もちゃんと出来ていないもの


あの日の事を思い出した私は、赤く染まった顔を押さえしばらく身悶えていた。


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