アンドロイド・ニューワールドⅡ
下準備は完了しました。
一人でやったので、少々時間がかかってしまいましたが、許容範囲です。
では、ここから本格的に生地を作っていきましょう。
ボウルに、計量した砂糖と卵を入れ、泡立て器でかき混ぜる…間に。
折角ですので。
「湯野さん。飾り付け用と、生地の間に挟む生クリームを、ハンドミキサーで泡立ててください」
と、私は頼みました。
湯野さんは、まだ果物を弄っていましたが。
「えぇ?ハンドミキサーなんかないじゃん」
「向こうの調理棚に置いてあるそうなので、取ってきてもらえますか」
「はぁ、面倒臭…」
と、湯野さんは溜め息混じりに、家庭科室の戸棚からハンドミキサーを取りに…行きましたが。
「あれ?本当にないんだけど」
と、湯野さんは言いました。
何ですって?何が?
「ハンドミキサーなんてないよ?泡立て器ならあるけど」
と、湯野さんは言いました。
泡立て器なら、私も今使っています。
しかし、文明の利器、ハンドミキサーがないとは、これは如何に。
そこで、私は気づきました。
他のテーブルで、他のグループが、ハンドミキサーを使っています。
つまり、家庭科室に備えてあったハンドミキサーを、既に他のグループが持っていってしまっていたのです。
下準備に時間を取られているうちに、まさかハンドミキサーまで取られてしまうとは。
これは不覚です。
後ろを取られた気分ですね。
調理器具の数に限りがあることを、想定していなかった私のミスです。
「えー。ハンドミキサーなしで、生クリームって作れるの?」
と、湯野さんは呑気な声で聞きました。
さて、それはどうなのでしょう。
生クリーム本体の容器には、ハンドミキサーで泡立ててください、と書いてありますが…。
私が昨日、得た知識によると。
「確か、泡立て器でも出来ないことはないはずです。ただ、かなり時間がかかります」
と、私は言いました。
「こうなっては、仕方ありません。ないものねだりをしてもしょうがないですから。氷水を張った器にボウルに浸しながら、泡立て器でひたすらかき混ぜてください」
「うわ、何それ重労働じゃん。電波ちゃん、パス」
と、湯野さんは私に丸投げしてきました。
凄く軽いノリで、重要な役目を任せてきましたね。
生クリームがなければ、ロールケーキはただの丸めたスポンジケーキです。
それはそれで美味しいのかもしれませんが、それはロールケーキではありません。
「電波ちゃんアンドロイドなんでしょ?だったら疲れないじゃん。頑張って」
と、湯野さんはにやにやと、お得意の悪癖な笑顔を浮かべて言いました。
成程、確かにその通りです。
「分かりました。では生クリームは私が泡立てるので、湯野さんは生地作りをお願いします」
と、私は言いました。
では、これから生クリームを、全力で泡立てるとしましょう。
一人でやったので、少々時間がかかってしまいましたが、許容範囲です。
では、ここから本格的に生地を作っていきましょう。
ボウルに、計量した砂糖と卵を入れ、泡立て器でかき混ぜる…間に。
折角ですので。
「湯野さん。飾り付け用と、生地の間に挟む生クリームを、ハンドミキサーで泡立ててください」
と、私は頼みました。
湯野さんは、まだ果物を弄っていましたが。
「えぇ?ハンドミキサーなんかないじゃん」
「向こうの調理棚に置いてあるそうなので、取ってきてもらえますか」
「はぁ、面倒臭…」
と、湯野さんは溜め息混じりに、家庭科室の戸棚からハンドミキサーを取りに…行きましたが。
「あれ?本当にないんだけど」
と、湯野さんは言いました。
何ですって?何が?
「ハンドミキサーなんてないよ?泡立て器ならあるけど」
と、湯野さんは言いました。
泡立て器なら、私も今使っています。
しかし、文明の利器、ハンドミキサーがないとは、これは如何に。
そこで、私は気づきました。
他のテーブルで、他のグループが、ハンドミキサーを使っています。
つまり、家庭科室に備えてあったハンドミキサーを、既に他のグループが持っていってしまっていたのです。
下準備に時間を取られているうちに、まさかハンドミキサーまで取られてしまうとは。
これは不覚です。
後ろを取られた気分ですね。
調理器具の数に限りがあることを、想定していなかった私のミスです。
「えー。ハンドミキサーなしで、生クリームって作れるの?」
と、湯野さんは呑気な声で聞きました。
さて、それはどうなのでしょう。
生クリーム本体の容器には、ハンドミキサーで泡立ててください、と書いてありますが…。
私が昨日、得た知識によると。
「確か、泡立て器でも出来ないことはないはずです。ただ、かなり時間がかかります」
と、私は言いました。
「こうなっては、仕方ありません。ないものねだりをしてもしょうがないですから。氷水を張った器にボウルに浸しながら、泡立て器でひたすらかき混ぜてください」
「うわ、何それ重労働じゃん。電波ちゃん、パス」
と、湯野さんは私に丸投げしてきました。
凄く軽いノリで、重要な役目を任せてきましたね。
生クリームがなければ、ロールケーキはただの丸めたスポンジケーキです。
それはそれで美味しいのかもしれませんが、それはロールケーキではありません。
「電波ちゃんアンドロイドなんでしょ?だったら疲れないじゃん。頑張って」
と、湯野さんはにやにやと、お得意の悪癖な笑顔を浮かべて言いました。
成程、確かにその通りです。
「分かりました。では生クリームは私が泡立てるので、湯野さんは生地作りをお願いします」
と、私は言いました。
では、これから生クリームを、全力で泡立てるとしましょう。