アンドロイド・ニューワールドⅡ
「私は昨日の反省を活かし、今日は心機一転、お弁当のメニューを改めてきました」

「そうなんだ。お茶漬けはやめたの?」

「はい。お茶漬けはやめました。お茶漬けとは、お弁当にはあまり適していないことを、昨日発見しました」

「おそっ…あ、いや、ちゃんと理解してくれて良かったよ」

と、奏さんは言いました。

今、遅いと言いませんでしたか?

きっと気のせいでしょう。

「そこで、今日はお弁当に相応しいおかずを作ってきました」

「そっか…。瑠璃華さんの、そういう勉強熱心なところは…」

「私の長所なのですよね?」

「うん。凄く尊敬してるよ」

と、奏さんは言いました。

それはありがとうございます。

では、私の努力の結晶を、早速見て頂きたいと思います。

私は、お弁当箱を包んでいたハンカチを解きました。

「あ、今日はアルミのお弁当箱じゃないんだね」

「はい。アルミのお弁当箱は、メリットもありますが、デメリットもあるということで、曲げわっぱに替えてきました」

「…そこで曲げわっぱを選択するっていうのは、なかなか凄いと思うな…」

と、奏さんは呟きました。

何か気になることでもあったのでしょうか。

「では、ご覧ください」

「はい、どうぞ」

と、奏さんは言いました。

私は、パカッ、とお弁当箱の蓋を開けました。

ご覧ください。

私の、今日の自信作です。

「…」

と、これには奏さんも、びっくりして言葉が出ていません。

きっと、昨日に比べ、今日の私のあまりの成長ぶりに、感心しているのでしょうね。

「…瑠璃華さん」

と、奏さんはようやく口を開きました。

「はい、何でしょう」

「なんか…その、曲げわっぱ一面、真っ茶色なんだけど」

と、奏さんは言いました。

「はい」

「これは、何処の国の国旗?」

と、奏さんは真顔で尋ねました。

諸手を挙げて拍手喝采してくださると思ったのですが、何故か今日も真顔です。

不思議ですね。

奏さんは、お弁当にはうるさい方なのかもしれません。
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