アンドロイド・ニューワールドⅡ
受付で入場料を支払うと、「暗いですから、足元に気をつけてくださいね」と笑顔で言われ。

私と奏さんは、分厚い天幕を潜って、お化け屋敷の中に入りました。

成程、確かに中は真っ暗です。

先程まで、ずっと明るくて、しかも賑やかな場所にいたので。

余計に、その落差が不気味に感じますね。

面白い展開になってきました。

「うぅ…暗い。覚悟はしてたけど…やっぱりお化け屋敷だな…」

と、奏さんは言いました。

「確かに、暗くて見通しが悪いですね。…瞳を夜間モードに切り替えます」

と、私は言いました。

そして、私の目を、夜間行動用に切り替えました。

これで、真っ暗な中でも見通しが効きます。

『新世界アンドロイド』の便利機能です。

人間も、目が慣れれば自然と夜目に切り替わりますが。

人間の場合は、夜目に切り替わるまでに時間がかかるので、やはり一瞬で切り替えが可能なアンドロイドの方が、暗闇には適していると思われます。

さて、そのようなアンドロイドうんちくはともかく。

中に進みましょう。

「何だか雰囲気あるなぁ…。何が出てきてもおかしくない…」

と、奏さんは落ち着かない様子で言いました。

大丈夫でしょうか。

「あのさぁ、瑠璃華さん」

「はい。何でしょうか」

「男として、凄くみっともないこと頼むけど…聞いてくれる?」

「頼み事に、男女の区別は関係ありません。何でしょう?」

「もし、宇宙人お化けが突然、襲い掛かってくることがあっても…。俺を見捨てていかないでね」

と、奏さんは切実そうな顔で言いました。

そのような心配をされていたのですか。

「ご安心ください。万が一、宇宙人お化けが奏さんに襲い掛かるようなことがあれば、私が相手になります。アンドロイドVS未知の宇宙人…。まるで映画のようですね」

「そっか…。戦わなくて良いよ、別に…。…瑠璃華さんが楽しそうで何より」

と、奏さんは乾いた声で言いました。

私には感情がないので、楽しそうであるはずがないのですが。

奏さん、随分と緊張していらっしゃるようですね。

奏さんの早くなった心拍が、こちらまで聞こえてくるようです。
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