アンドロイド・ニューワールドⅡ
「いやー。久し振りだねぇ。ここに瑠璃華ちゃんが帰ってくるの」
と、久露花局長は言いました。
帰ってくるなり、私は早速、研究室にあるカプセルに入りました。
これが、アンドロイドックですね。
「久し振りに、自分の生まれ故郷に帰ってきた気分はどう?」
と、局長はモニターを操作しながら聞きました。
気分はどう、ですか…。
私は今、どのような気分なのでしょうね。
人間であれば、郷愁の念に駆られるのかもしれません。
しかし、私は人間ではなく、『新世界アンドロイド』ですので。
特に思うところはありません。
強いて言うなら。
「もぐもぐ。美味しい。瑠璃華ちゃんも食べる?」
と、局長は、作業台の横に置いているチョコレートの箱から、一粒チョコレートを取り。
アンドロイドックに入っている私に、チョコレートを差し出しました。
勿論、自分ももぐもぐ口を動かしています。
「…局長が相変わらず、私が不在の間も何一つ変化ないところを見て、むしろ安心感を覚えました」
「…うん。何か、遠回しに蔑まれてる気がする」
と、局長は呟きました。
何でしょう。この安心感。これを郷愁の念と言うのでしょうか。
「それより、この半年間で、私の身体に不調はありませんか?」
「うーん…。ざっとスキャンしてみたところ、特に異常は見られないね」
と、局長はモニターを見つめながら言いました。
そうですか。
まぁ、私が稼働を始めてから、これまで年に一度、毎年欠かさずこの定期メンテナンスを受けていますが。
このメンテナンスで、何らかの異常を検知したことは、数えるほどしかありません。
大抵の場合、異常が発生すると、自動的に自己修復機能が働いて、勝手に直してしまうからです。
自己修復機能では直せない、大きな不具合が発生した場合のみ、この定期メンテナンスで修復します。
「今回も、ちゃんと元気だよ」
と、局長は言いました。
しかし、私には気になる点があります。
「私の胸部に、異物は見られませんか?」
と、私は尋ねました。
自分で体内をスキャンしたときは、見つけられませんでしたので。
この定期メンテナンスのときに、聞こうと思っていたのです。
と、久露花局長は言いました。
帰ってくるなり、私は早速、研究室にあるカプセルに入りました。
これが、アンドロイドックですね。
「久し振りに、自分の生まれ故郷に帰ってきた気分はどう?」
と、局長はモニターを操作しながら聞きました。
気分はどう、ですか…。
私は今、どのような気分なのでしょうね。
人間であれば、郷愁の念に駆られるのかもしれません。
しかし、私は人間ではなく、『新世界アンドロイド』ですので。
特に思うところはありません。
強いて言うなら。
「もぐもぐ。美味しい。瑠璃華ちゃんも食べる?」
と、局長は、作業台の横に置いているチョコレートの箱から、一粒チョコレートを取り。
アンドロイドックに入っている私に、チョコレートを差し出しました。
勿論、自分ももぐもぐ口を動かしています。
「…局長が相変わらず、私が不在の間も何一つ変化ないところを見て、むしろ安心感を覚えました」
「…うん。何か、遠回しに蔑まれてる気がする」
と、局長は呟きました。
何でしょう。この安心感。これを郷愁の念と言うのでしょうか。
「それより、この半年間で、私の身体に不調はありませんか?」
「うーん…。ざっとスキャンしてみたところ、特に異常は見られないね」
と、局長はモニターを見つめながら言いました。
そうですか。
まぁ、私が稼働を始めてから、これまで年に一度、毎年欠かさずこの定期メンテナンスを受けていますが。
このメンテナンスで、何らかの異常を検知したことは、数えるほどしかありません。
大抵の場合、異常が発生すると、自動的に自己修復機能が働いて、勝手に直してしまうからです。
自己修復機能では直せない、大きな不具合が発生した場合のみ、この定期メンテナンスで修復します。
「今回も、ちゃんと元気だよ」
と、局長は言いました。
しかし、私には気になる点があります。
「私の胸部に、異物は見られませんか?」
と、私は尋ねました。
自分で体内をスキャンしたときは、見つけられませんでしたので。
この定期メンテナンスのときに、聞こうと思っていたのです。