望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「それで、話とはなんだ」
 ソファに寄り掛かったレイモンドは、右手をソファの背もたれに預けた。これではまるで、レイモンドがカレンを受け入れているように見える。

「あの。家に戻ってもよろしいでしょうか」

「カレン。君の家はここではないのか?」
 真面目な顔でそんな冗談を言われても。
「冗談だ。ダレンバーナに戻りたいのか? だったら私も一緒に行こう」

「え?」

「ダレンバーナの両親に挨拶をしていないからな」
 どこから訂正していくべきか。どう言葉をかけるべきか。

「冗談だ」
 また、真面目な顔で言われてしまった。「それで、どの家に帰りたいんだ?」
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