望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「先ほども言ったように、私が君に助けられたのは事実だ。君が私を助けてくれなかったら、私はあの時に死んでいた。だから、今は、私が君を救いたい。君は、何を考えている? 何を企んでいる?」

「私は、何も企んではおりませんよ。最初に申し上げはずです。あの家に置いていただけるだけでいい、と。それ以上の生活は望みません、と」
 カレンはまた感情の無い瞳を浮かべた。

「私は本当のことを言った。だから君も本当のことを言って欲しい」

「旦那様がおっしゃった本当のこと。私には信じることができません」

「どうしたら信じてもらえる?」
 レイモンドは両肘をテーブルの上につき、手を組むとその上に顎をのせ、じっとカレンを見つめた。カレンもその視線を反らすことなく、受け止める。周りの物など視界に入らない。レイモンドの瞳に映るのはカレンだけ。その瞳がふっと和らいだ。

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