望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「できれば私にも、あれと同じように話しかけて欲しい」
 レイモンドのそれに、口の中にある魚が喉につかえそうになった。カレンは返事をしなかった。

 残念ながら、この家には寝室が一部屋しかない。その一部屋に二つのベッドが並んでいるのだ。昔はそれでもいいと思っていたのだが、今は、一つしかない寝室に恨みを覚えてしまう。
 片付けも終わり、あとは寝るだけになってしまった。外はすでに闇に飲み込まれている。今日は月が出ていないため、外の明かりは満点に輝く星たち。

「灯りを消してもよろしいですか?」

 魔法でつけていた灯りだからカレンが尋ねた。彼女が消さないとその部屋の灯りは消えない。

「ああ、消してもらって問題ない」

「では、おやすみなさい」
 言い、カレンは明かりを消した。そして、彼の方に背を向けるようにしてベッドへと潜り込む。
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