望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 と思っていたのだが。

 予定よりも早めにカレンを迎えにきたレイモンド。その姿を見て、カレンも立ち尽くす。
「なんだ。私に会いたくなかったのか?」

 自嘲の笑いを浮かべるレイモンド。きっとその言葉を意味するところは違うところにあるのだろう。

「旦那様。予定より早いお迎えで、少々驚きました」
 穏やかに笑うカレンに、レイモンドは思わず抱きしめる。

「やられた」
 彼女の耳元で囁いた言葉はそれ。カレンは驚き、ゆっくりと顔を動かす。

「騎士団を長期休団扱いになっていた」

「え?」

「私だけではない。ローゼンフェルドの騎士たちは、全員そのような扱いになっていた」

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