望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「お姉さま。私が、なぜここに来たのか、目的を伝えてもよろしいでしょうか」

「はあ? 何を言っているの」

「何を言っているのは、お姉さまの方ですよ。さすがに、何も知らずに死んでしまっては可哀そうだと思った妹の心遣いを、無下になさるつもりですか」

「あなた、頭がおかしくなったのかしら? 誰が死ぬと?」

「お姉さまですよ」
 そこでカレンはその四人の騎士に向かって、素早く魔法を放つ。
 彼らはもう、その場から動くことはできない。足元を凍り付かせたからだ。

「カレン。あなた。やはり魔導師だったのね」

「さすがに、ここまで見せつければ、おバカなお姉さまでもお気づきになりますのね」

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