望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「まあ、先に捕虜たちを解放してもらえれば、心配事は無くなるな」
 ふむ、と王太子は頷いた。
「だが、誰がそれをやるかが問題だな」

「でしたら、私に命じてください、殿下」
 レイモンドはすっと胸に右手を与えた。

「レイモンド?」

「私なら、必ずやり遂げてみせます」

「だが、本体の指揮は誰がとる?」
 王太子のそれに、レイモンドはロバートの顔を見た。
「彼に。ロバートに指揮をとらせます」

「団長」
 ロバートは思わず声を出してしまったが。

「ロバートならできる」
 レイモンドがぽんと彼の肩を叩いたため、ロバートは頷いた。

「少し、その件について話をしよう」

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