望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 他のメンバーは捕虜たちの解放とその後の手続きのため、すでにそちらへと向かっていた。
「ロバート。奥方が気になるかもしれないが、彼女は無事だ」

「ええ、それは団長を信じていますから」

 その言葉で、ふっとレイモンドが表情を緩めた。
「やはり、君にカレンを預けてよかった」

「ああ、レイモンド。私も君に聞きたいことがあったのだ」

 レイモンドとロバートの話を黙って聞いていた王太子が、口を挟んだ。

「お前の奥方は、ダレンバーナの女だろう?」

「はい」

「信用できるのか?」
 王太子のそれに、レイモンドは「どうでしょうね」と答えた。

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