望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 鏡の前に座っている義母の後姿。

「誰」

「おはようございます、お義母様」

「あなた、カレン。どうしてここに?」

 立ち上がり、カレンと対峙する。

「里帰りです。ですから、お義母様にはお土産を持ってきました」

「あなた、嫌になるくらいあの女にそっくりね」
 ここで言うあの女。それは間違いなくカレンの母親のこと。
 カレンはその義母の背にゆっくりと近づき、そしてその鏡台にお土産を置いた。

「どうぞ、開けてください」

< 254 / 269 >

この作品をシェア

pagetop