望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 鏡越しに義母の顔を見る。その顔は唇を噛み締め、ギリギリと鏡の中のカレンを睨んでいる。だが、そのお土産が気になっているのだろう。その包みに手をかけ、それを解いた。

「……っ」

 出てきたのは、娘の首。それでも、正気を保とうとしているのは流石としか言いようがない。

「カレン。あなた」

 義母は音を立てて立ち上がり、そして髪を振り乱して振り向いた。

「気に入ってくださいました? そのお土産」

「殺したの?」

「そんなの、聞くまでもないでしょう」
 右の肘を折り、その手の甲を顎の下に当てたカレンは、不気味に笑う。
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