望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
 そこでカレンは静かに目を伏せてから、力強く開き、じっとレイモンドを見上げる。
「誰かに言いたいのであれば、どうぞご自由に」

 それにレイモンドは答えなかった。ベッドを軋ませてそこからゆっくりとおりると、隣の部屋へと戻っていく。
 きっと義務を果たしたから、だろう。
 カレンはそのまま目を閉じた。
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