望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「本当ですか?」

「私を疑うのか」
 やや疑っている。

「いえ、そのようなことは」
 彼女は膝を折ってしゃがみ込み、その黒豹の頭を撫でた。それは心配しないで、と言っているように見えた。それはそれの意思でレイモンドに近づき、彼の足元に顔を摺り寄せていた。
 それを見て安心したカレン。
「失礼します」
 背中を向けて、屋敷の方へと戻っていった。
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