望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「そうか」
 呟いてから、再び、弟の背中を優しく撫で始める。

「今はまだ、義姉さんが使える人間かどうかを見極めている様子。彼らも今すぐ動くとは思えません。兄さん、僕は兄さんが何と言おうと、義姉さんを守りますよ」
 黒豹は顔を上げた。豹は人間と目を合わせた。
 これが兄弟であると誰が気付くだろうか。

「お前はなぜあの女にそこまで執着する?」

 問われ、豹は頭を下げた。
「義姉さんの手は、母さんを思い出します。優しくて暖かいあの手を」

「ほだされたのか」

「さあ。わかりません。ですが、義姉さんは兄さんが子を望まない理由も、僕に爵位を譲ろうとしていることも、全てわかっていましたよ。ですが、兄さんのそれでは僕を守ることをできないということも」

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