望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「そうですか? 美味しいお菓子もあるのですが」

「ふふ。アディったら誘うのが上手ね」
 カレンはゆっくりとソファに腰を沈めた。アドニスが淹れたお茶を手にする。

「義姉さんがここに来て、そろそろ二月(ふたつき)ですね」

「そうね」

「何か、わかりましたか?」
 カップを口元につけていたカレンは、アドニスの問いに目を見開いた。そして、一口お茶をコクリと飲むと、それをテーブルの上に戻す。

「いいえ。わからないことだらけですね。一番わからないのは、なぜあの戦争でローゼンフェルドが負けたのか、ということ」

「へぇ。義姉さんは面白いことを言う人だ」
 少年は足を組んだ。「それ、続きを聞かせてもらってもいいですか?」

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