望まれぬ花嫁は祖国に復讐を誓う
「続きも何も無いですよ。なぜ負けたのか、っていうのがわからないだけですから」

「では、義姉さんは、ローゼンフェルドが勝つとでも思っていたのですか?」

「ええ、そうね。いくらダレンバーナの魔導師でも、獣人の力に勝てるとは思えない」
 カップに口をつけていたアドニスは、ジロリと視線を向けた。

「ねえ、アディ。ローゼンフェルドの獣人について、教えてもらえないかしら? ローゼンフェルドは獣人の国でしょ?」

「昔の話ですよ」
 言い、カップを傾けた。「獣人たちは、ダレンバーナに捕まったか、この国の地下牢に閉じ込められています」

「どうして?」

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