幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
その後先生に事情を話すと物凄く残念がられ困惑してしまった
まあ、家庭の事情ってことしか言わなかったけどそこは色々察してもらったみたい
今日部活の皆にも言わなきゃ
そんなことを思いながら写真部の部室へ続く廊下を歩いていた
目の前に見えてきたトイレ
部室へ行く前に行っとこうって思いながら行った
そのトイレに入った瞬間なんだか聞き覚えのある声があたしの耳に聞こえて来た
盗み聞きみたいでなんか悪いよね
早く出よう、そう思った瞬間びくっと身体がはねた


「西条さん!!」


その声に聞き覚えがある
ある所じゃない・・・・
あたしの身体がはねた訳はこの声に聞き覚えがあるから


「例の事やっておきましたよ!!」
「あら、美奈さんありがとう害虫駆除成功したようね」


美奈・・・・・?
この声は美奈、あたしの親友である美奈の声に間違いない
例のこと?害虫駆除ってなんのこと?


「噂、流しておきましたよ」
「ふふっ、ひどい人ねあなた親友じゃないの?」
「え?親友?んな訳ないじゃないですか嫌いなんですよねああいう身の程知らずの女ってたいして可愛くもないくせに」
「まあいいわ、程々になさいたぶんあたしの推測だと学校辞めると思うしまあ時間の問題よね・・・・じゃあまた害虫駆除のほうよろしくね」


声が聞こえなくなった
何を言ってた?なんで?
美奈が噂を広めたの?身体が震える
ドアの取っ手に手を掛けたまま動けなかった
息が出来ない・・・・
苦しい、苦しいよ
親友だって思ってた美奈にあたしは恨まれてたの?
そんな・・・・・
じゃあ、待って


あたしのせいだ
あたしのせいでお母さんが・・・・・
走り出したあたしは無意識に来ていた、足が向いていた
いつの間にか大和君の空き教室の近くに来ていた
ここからは教室が見えるんだ
そう思って廊下の片隅で教室の窓を見つめていた
たぶん大和君は今日もここにいるかもしれない
一目顔が見たいな・・・・
そう思ったけどそこから足が動かなかった


あたし・・・・何か間違ってたのかな


ここから見える教室の窓
無意識に見つめていると背の高い男子生徒の影
あれは・・・・間違いない
見間違えるはずない
あれは大和君だ、ここから少し離れているけど見間違えるはずない
隣には一人の女子生徒
長い黒髪の・・・・彼女は生徒会長西条さん?


あたしの恋心をあざ笑うかのように窓際に佇む二人は笑顔を浮かべているように見えた、彼女と彼の唇が重なってまるで一枚の絵のようだった
最後通告を突きつけられたような気がした

惚れた女以外にはキスはしない


彼、大和君はそんなことを言っていた記憶がある
良かったね、あなたは自分の唯一無二の人を見つけたんだね
これで何も迷いはなくなった
あたしは黙ってここから去ったほうがいい
涙を拭うともう振り返らなかった


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