幼馴染大和君の執着愛~俺の最愛の番~
平和で地味に普通に何事もなく学校生活を送る
この言葉が最近あたしに当てはまらなくなってるのはたぶん彼のせいだと思う
彼の名は勿論蓮常寺大和
あたしと同じ時期に転校してきた彼は180センチを超える身長、程よい筋肉がついた身体
甘いマスクはまるで芸能人並みのビジュアルを持つ
そんな彼と毎日登下校、同じクラスの大和君は番認定をされて以来トイレとお風呂以外はくっついて離れない
冗談抜きで彼は引っ付き虫だそれに過保護って言葉は彼の為にあるって言っても過言ではないくらい
だってクラスの男子があたしに話しかけようものならすかさず彼の無言の圧がかかるし・・・・
正直その視線が怖いくらいで震えがくる、もしあたしが彼から離れようものならどこに居ようと探しまくる
ていうか驚いたことのひとつに離れていてもあたしが放つ匂いで何処に入るかわかるらしい
これが番を得てから得られた力なんだとか
っていうか怖いくらいの重たい愛情をこの頃感じずにはいられなくて正直あたしは困惑気味だ
彼のあたしに向けられる思いって竜族の本能ってだけなんじゃ?って思ったりする
それはあたしに恋してるってことではないんじゃ?



考えたってしかたない・・・・
色んな思いが頭を駆け巡るけどあたしに引っ付いて離れない彼を今日も見上げる
微笑んで頭を撫でる大和君にドキドキする
あたしを見つめる瞳に今までとは違った感情が浮かんでって思うのは気のせい?
ずるい・・・・ずるいよ、ずるすぎる
そんな目で見つめられたら絶対勘違いする
きゅっと唇を噛みしめると彼から視線をそらす
あたしは隣に座る彼の熱を帯びた瞳から逃れるように立ち上がる


「どうした?」

「あ・・・・・うん、ちょっとトイレ」

「大丈夫?一人で行ける?一緒に行こうか?」


「大丈夫だよ、ちょっと行ってくる」


大和君が着いてこない唯一の場所
あたしは深呼吸をひとつするとトイレに向かう
あたしのクラスからさほど離れていないこの場所もこの頃は安息の場ではなくなってる
トイレの中に入ると早速背後に気配を感じ振り返った




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