舞台の上で輝いて
「まずは今日のリハーサルが上手くいったお祝いで乾杯しようか。」
支配人お薦めのワインを用意してもらった。
「乾杯」
「乾杯」
と、乾杯をしてちょっと口をつける。
お酒はあまり強くないけれど、ちょっとだけなら大丈夫。
それから美味しいお食事をじっくりと味わう。
デザートが出てくる頃になってからようやく今日の踊りの話を始める。
芸術監督に誉められて、みんなにも褒められて、大満足だけれども、私達にとって今日の白鳥の湖がベストだった訳ではない。
高みを目指そうとすると、どこまでいってももっともっとと要求するレベルが高くなってくる。
結城さんと、それぞれ今日の気になった事を話し合い、明日以降のリハーサルの時に特に注意する所の確認をする。
いつの間にか結城さんと対等に話をしている。
結城さんは一方的に考えを押し付けたりせずに、私の考えも聞いてくれて尊重してもくれる。
そして、バレエの大切な話をした後は、とりとめもない、何気ない会話が続く。
この何気ない会話から、段々と結城さんの個人的な事が分かってきた。
イヤホンオタクで色々と種類を持っていてその時その時で使い分けている事。
休日の日はアクティブ派ではなくてのんびり派。
お家でゆっくりしている事が多い事。
読書が好きでよくミステリー系のものを読んでいる事。
そして、パートナーに求めるのは、お互いがお互いをカバーし合って一体となって、舞台の上でその人物になって演じられるようにする事。