舞台の上で輝いて
「僕はこれまで何回も何回も白鳥の湖を踊ってきた。色々な振り付け師の様々なバージョンも踊ってきた。いつでも全力で舞台にのぞんできた。
でも、思うんだ。
今回の白鳥の湖は今までと全く違う。
自分の中から湧き上がってくる想いがこれまでとは別物なんだ。
考えてみて、分かったんだ。
それはパートナーが香織ちゃんだから。
香織ちゃんとだからお互いに思い描く白鳥の湖の世界を、理想を作り上げていく事が出来るんだ。一緒に踊っていて、香織ちゃんの考えている事が手に取るように分かるし、また僕の考えている事も香織ちゃんが理解してくれているのも分かる。
自分のリズムと香織ちゃんの内から奏でられる音楽も同期してると思う。
音をとるタイミングも0.1秒も狂わないし。
バレエ芸術をとことん高めていけるなと思っている。」

えっ、なんかすごい事を言われてる。
私を1人のダンサーとして認めてくれている。
あの結城さんが認めてくれている。

「ありがとうございます。そんな風に思っていただけてたなんて。感無量です。
私も、烏滸がましいのですが、結城さんと踊っている時、バレエだから勿論言葉で話したりしてないのですが、心の中で雄弁に会話している気がしていたんです。気持ちが音に乗っていくと言いますか、音の取り方も頭で考えるのでなく、身体が勝手に動く感じで。
動いた先で必ず結城さんが寸分違わない位置にいてくれてサポートしてくれるので、安心感があって迷わずに心のままに踊れるんです。
本当に幸せな事だと思っています。」
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