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「そうなったら、紫織ちゃんと結婚するかな」


そう、さらっと言われ、それは本気なのか、冗談なのかよく分からない。


少し、笑顔は浮かべているけど。



「紫織ちゃんじゃなくて、
未希、だよね」


そう言って、私の額に口付けをされた。



紫織ではなく、未希。


今、私の本当の名を呼んでくれたのは、
この人は、もしそうなったら、私の父親の事も含めて、私を受け入れてくれるって事なのか。



「なんだろ？
少し、眠たくなってきた」


そう言って欠伸をし、腕枕をするように私を抱き締めてくる。


私はそんなこの人の腕の中で、
満たされたような気持ちを感じていた。


本当に、こんなにも一緒に居て心地の良い人なんて、他に居ないだろうな。


蒼君、よりも―――…。


そんな時、呼び出し音のような音が、
扉の向こうから微かに聞こえて来る。