涼やかな風
拓徒が頭を下げていった。
こんなことになるなんて・・・・
「拓徒くんは、なにも悪くないよ。
だから、顔を上げて」
お姉ちゃんは言った。
まるで、私の気持ちを代弁してくれてる気がした・・
「でも、俺の兄貴はお姉さんや紗和の大事なお兄さんをなくしたんですよ・・!」
拓徒は言った。
「紗和たちの家族にとって大事なお兄さんを、奪ったんです!
しかも、それは真実・・・!
償えないんです・・・
そんなに重大なことを犯してしまったのに、なんで許せるんですか・・・・!?」
拓徒、そんなことないよ。