春になっても溶けないで
「うん…」

悠を見つめて返事をする。

「じゃあ、今日はもう帰ろっか。」

悠が私の手を引く。その後のことはあんまり覚えていないけれど、夕日がとても綺麗だったことだけは覚えてる。

こんな生活が、3ヶ月ほど続いた。毎日悠と学校にいって、保健室で過ごす。そうしたら帰ってくる。

いつか教室に戻らないといけない。悠に迷惑をかけたくない。

そう思いながらも、悠と過ごす日々は雪のように儚くて、そしてとても楽しかった。

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