春になっても溶けないで
それでも、私は明日も生きていけるような、そんな気分になっていた。


「うう…。」


そう思った途端、私の目から大粒の涙が溢れ出した。

安心して、幸せで。でもだからこそ、泣いてしまった。

誰かに認められて、嬉しくて、なんだか切なくて。


私は、悠の体を強く抱きしめた。泣き顔なんて見られたくない。

変な顔になってしまっているのが自分でも分かる。

そんなところを人に、ましてや悠に見られるなんて死んでも嫌だ。


「落ち着いて、呼吸して?」

悠が、背中をトントンと叩きながら優しい声で言った。

だんだん私の呼吸は落ち着いてきた。
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