ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
(あれってどういう意味なのかしら?)
動揺しすぎていて確認できなかったけれど、エディロンは確かにシャルロットに『お前が抱えている秘密ごと』と言った。
(エディロン様、ループのことを知っていらっしゃるの?)
一体どこから知ったのか?
どのくらい知っているのか?
疑問が次々に湧き起こる。
(じゃあ、それらを知った上でわたくしを愛している?)
そこまで考えて、シャルロットはぶんぶんと首を横に振る。
一度目の人生だってシャルロットはエディロンが愛してくれていると信じていた。その結果、初夜に〝ドブネズミ〟といわれて殺されたのだ。
(そうよ。忘れちゃだめ)
シャルロットは自分に言い聞かせる。
(きっと、毎日のようにお話ししているから情が移ってきているのだわ)