ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

「これって……」

 円形の中に三角形と小さな文字が描かれたその紋様に、シャルロットは見覚えがある。ものに魔法の力を与えるときの魔法陣だ。

(嘘でしょう?)

 嫌な予感がした。
 シャルロットは居ても立ってもいられずに寝室を飛び出し、エディロンの部屋から廊下へと繋がるドアを開ける。

「やっぱり……」

 寝ている。護衛をしていたはずの騎士達が、全員眠りこけている。

「これは魔法か?」

 追いかけて来たエディロンに、背後から話しかけられる。

「ええ、間違いなく」
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