ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 そして、シャルロットの母であるルーリスはそんな幸運に恵まれたひとりだった。平民でありながら圧倒的に魔法の力が強く、その噂は領地を越えて遠い王都まで届くほどの希代の大魔女だった。

 ただの村娘だった母とエリス国の国王である父が知り合ったきっかけは、母の噂を聞いた父が興味本位で母の住む町へ視察にいったことだったと聞いたことがある。そこで母に出会った父は一目で母を気に入り、毎日のように口説きに来たと。

 そして、ついには側室として迎え入れ誕生したのがシャルロットと双子の弟──ジョセフだ。

 しかし、幸せは長くは続かなかった。
 父が母に夢中になったことに激怒した正妃は見えないところで母やシャルロット達に嫌がらせをするようになった。それに対し、父は隣国の王女であった正妃の機嫌取りを優先して見て見ぬふりをした。
 けれど、シャルロットの母であるルーリスは大魔女だったのでそんな嫌がらせはものともせず、シャルロット達は普通の暮らしを送れていた。

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