ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 シャルロットが案内されたのは、予想通り離宮だった。

(こんな場所があったのね)

 物珍しくて、きょろきょろと辺りを見回す。
 いくつも部屋があるようだが、人の気配は全くない。シャルロットが今歩いている開放廊下からは噴水のある庭園が見えた。しかし、ずっと使用されていないのか水は出ていない。

 やがて、シャルロット達はその離宮の最奥へと行き着いた。

「こちらでございます」

 セザールはドアを開ける。

「わあ」

 シャルロットは感嘆の声を上げた。

   ◇ ◇ ◇

< 66 / 325 >

この作品をシェア

pagetop