天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 緑色の動きやすいドレスに身を包み、履いているのは黒いブーツ。ブーツの踵はぺたんこで長時間歩いても大丈夫なように準備をしていた。

 今日の予定はまず、魔道具工房の見学だ。錬金術師と魔道具師は密接な関わりがある。

 簡単な道具なら錬金術師本人が作ってしまうこともあるけれど、少し複雑なものは魔道具職人に依頼するのが一般的だ。

 グローヴァー領には、錬金術師や魔道具師が多く集まっており、魔道具はこの領地の一大特産品なのだ。

「おはよう、ミリエラ嬢。今日は、いい天気だな」
「はい、陛下。おはようございます」

 王妃の部屋を出ると、国王と父は別館の玄関ホールで話をしていた。ライナスは、ディートハルトと手を繋ぎ、じっと立って待っている。

 ミリエラの方を見る目つきは、やはり面白くなさそうではあったけれど、今日は喧嘩を吹っ掛けてくるつもりはなさそうで安心した。

「おはよう、ミリィ」
「おはようございます、ディートハリュト殿下、ライナシュ殿下」
「ライナシュ、じゃない。ライナスだ!」
「……失礼しました。ライナ……ス殿下」

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