天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 エリアスの眷属である風の精霊達は、白い翼の生えた猫。小さな猫達が飛び回っている様を見るのはとても楽しい。

(そうじゃ、ミリエラ。妾と契約するがよい)

『やめておけ、ミリエラ。そいつと契約してもいいことなどないぞ!』

 なぜ、エリアスがミリエラと新しい精霊の契約を邪魔するのかはよくわからない。精霊がミリエラに害を与えるということもなさそうだし──。 珍しく、焦った様子のエリアスにかまうことはない。

「わかった。フィアン──あなたの名前は、炎の精霊フィアン」

『わあああ、やめろ、やめろぉぉっ!』

 炎がふわっと舞い上がったかと思ったら、空中に姿を見せたのは美しい赤い鳥であった。頭の部分には冠毛。首は長く、尾羽も長く、とても優雅だ。羽ばたいていないのに、空中に浮いているのは、鳥ではなく精霊だからだ。

 金色の瞳は、優しくミリエラを見つめていた。

「フィアン。よい名じゃ」
「……精霊王様」

 エリアスにするのと同様に、父は恭しくフィアンに向かって頭を垂れた。

 フィアンは翼をぱたぱたとさせる。「そんなのとんでもない」と人間がばたばた手を振るのとよく似ている。

< 145 / 279 >

この作品をシェア

pagetop