天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 王妃などは、侍女が巻いてくれるから必要ないだろうが、ホットカーラーの利点は、カールをつけている間に好きなことができるところでもある。

 十分程度で冷める必要もあるので、保温時間はそこまで長くなくてもいい。

「つまり、マナを流せば一瞬にして温度が高くなり、それから冷めていけばよいのだな?」
「うん」

 なるほど、とフィアンは思案の表情になった。ミリエラはわくわくとしながら、用意した魔石を並べていく。

「よし、妾に任せておくのだぞ。ピニラ草の葉と、ランダルートの芽、大モグラの爪に赤ナマズの皮か。これでよかろう――ミリエラ、改めてマナを注ぐのじゃ」

 フィアンの指示に従い、錬金釜を混ぜながら、マナを注ぎ込む。ミリエラが思っていたよりも、ずっとたくさんのマナを。

「そうじゃ。よいよい、上出来じゃぞ」

 ミリエラの魔力は多い方だが、フィアンが「そこまで」と止めるまでたくさんのマナを注ぐのには、かなりの体力を使ってしまった。
 出来上がった素材を、あらかじめ用意しておいた型に流し込む。

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