天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 日程を調整し、揃って出発したのは、真夏も近くなろうかという頃だった。締め切った馬車の中は暑いと思いきや、そんなこともない。

 贅沢にも、クーラーのようなものがついているのである。馬車の中に冷たい空気を送り込むという機能は、父の発明したものだ。

 子供達を連れて移動することが増えたので、冷蔵庫の仕組みを参考に作ったらしい。父とミリエラ、カークとディートハルトが並んで座る。

「ねえ、パパ。次は馬車の改良かなぁ……疲れない馬車だったら、もっといっぱい行ったり来たり出来るよね」

 侯爵家の馬車は乗り心地がいいはずなのだが、それでもお尻が痛い。

 ガタゴト揺れる馬車の改造も、エリアスやフィアンの力を借りればどうにかできるのではないだろうか。その改造をどうやってするかについては、これから考えなければならないけれど。

「そうだな。それは、今後の課題にしようか」
「うん!」

 王都への往復が楽になればなるほど、行き来もしやすくなるはずだ。道路の方はミリエラにはどうしようもないから、馬車の方を改造しよう。

「ディーは、どんな馬車がいいと思う?」
「空を飛ぶ馬車とか」
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