天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 スライムの魔石にマナを注ぎ、保冷布の素材を作る仕事はカークにお願いすることにした。

 カークはマナの扱いがかなり上手なのだ。マナを注ぎすぎるとすぐに崩れてしまうスライムの魔石の扱いも完璧である。

(魔剣士みたいな職業があったら、きっとカークは向いているんだろうな)

 とミリエラは密かに思っている。

 もし、大人になってカークが望むのなら、炎の剣とか氷の剣とか作るのも面白そうだと思っているのは、大人達には内緒だ。子供が武器に興味を示すのはまだ早い。

「ふふーん、うりゃうりゃ」

 以前、錬金術のことで仲間外れにされたように感じたらしいカークだったけれど、自分にもできることがあると思うと楽しいらしい。鼻歌交じりに、スライムの魔石にマナを注入している。

 その横で、ミリエラとディートハルトは過去の実験結果を確認していた。

「テントの素材にスライムの魔石が馴染むかどうかが問題だよねぇ」
「マジックスパイダーの糸はどう? 多少ごわごわしても、着るものじゃないから問題ないと思うんだ」

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