天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 そんなところでマナを使うくらいなら、魔物退治のために温存しておくのが普通である。というわけで、皆寝苦しいのを我慢するしかないそうだ。

 もっとも、昨年保冷布が発明されたため、いくぶん変わり始めてもいるらしい。

(保冷布をひんやりさせるのに大量のマナは必要ないもんね)

 保冷布を冷たくするのに使うのは、魔道具のスイッチを入れるくらいの量のマナ。ほとんど消費しないと言ってもいい。

 発動の度に多量のマナを必要とする魔術と違い、いったん素材や魔道具として作り上げてしまえば、その後は大量のマナを必要としないのが魔道具のいいところである。

「ねえ、ディー」

 その一言で、ディートハルトは理解したようだった。

「俺も! 俺も手伝う!」

 カークが勢いよく手を上げる。

 錬金術のことは理解できなくても、カークを仲間外れにするつもりはない。同じ失敗は繰り返さないのだ。

「よし、それじゃ快適テント開発計画を始めよう!」

 えい、とミリエラが拳を天高く突き上げて宣言すると、「おーっ!」とカークとディートハルト、それになぜかエリアスの声が重なった。



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