天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 種の内部に発生したガスは、空中に漂いながら同時に少しずつ抜けていく。そして、地面に落ちたところで根を張るという性質を持っている。

 風船タンポポの種から抽出した溶液を加えて作った特殊な金属が、テントの部品だ。

 どうしても、布そのものに膨らませる機能を持たせることができなかったので、別素材をつけることにしたのだ。

(テントの設置の時に、マナを流すのってけっこう面倒だと思うんだけど)

 とはいえ、今までのテントと比べると格段に快適になったという。

 マナを流さなければ普通のテントとして使うことも可能だし、床の四隅に縫い付けた金属が少しだけ重いけれど、気になるほどではない。四枚の金属片合わせて、コイン一枚に満たない程度の重さだから。

「ミリエラ様、このテント、まずはディートハルト殿下の騎士達にも使ってもらいましょう。彼らの使い心地を確認して、魔道具屋に卸すことにした方がいいかもしれません」

 オーランドがとても真面目な顔をしているから、ミリエラもうんとうなずいた。彼がそうした方がいいというのならば、父に相談してみよう。

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